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[複雑研全体ゼミ補足記事] 6/24, Twitter推薦系(トレンド変遷+情報推薦)

月曜日, 6月 24th, 2013

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今日は比較的時間が空いてる一日で、相談対応してた以外は全体ゼミのみ。全体ゼミは今週から全体ゼミ2巡目の本番ということで、久しぶりに輪読っぽい輪読なゼミでした。

以下は複雑研全体ゼミを終えての補足記事です。


Twitter推薦系(伊集竜之, 新里華生, 平良浩嗣)

トレンド変遷+情報推薦

全体の流れとしては [3] を中心として、個々人に適した情報推薦を実現するために嗜好を抽出するだけでは不十分で、トレンド分析やトレンド変遷を行った先行研究 [1,2] を踏まえつつ、「世間の流行 vs. ある特定コミュニティ内の流行」という形で嗜好を見直し、情報推薦に繋げたいというような話だったかと思います。

[1] Blog記事のクラスタリングに基づいたカテゴリ別話題変遷パタンの抽出
[2] T-Scroll: 時系列文書のクラスタリングに基づくトレンド可視化システム
[3] トレンド分析および推薦対称コミュニティ推定に基づく情報推薦システムの提案

[3] の直接的な続きではないですが、後続研究としては次のようなものがあるようです。例えば [4] では、単語に対応するセンチメント値(4つの感情軸上の数値)を算出し、それを用いて対象コンテンツの差異を提示するという話らしい。また、[5]では、kizasi.jpが対象としている約377万サイト(約8,192万記事)を対象に「拡張型流行語の早期発見する」という検証を試みたようです。その他、「ユーザ特性分析に基づく類似ユーザの発見」や「ユーザの価値判断基準モデルに基づくコンテキスト依存型ランキング方式」など、中島先生の文献一覧については [6] を眺めると良いでしょう。

[4] ニュースサイトにおける話題およびセンチメント差異提示システムの検討, 情報処理学会 全国大会講演論文集, 2010
[5] 大規模なブログ記事時系列分析に基づく流行語候補の早期発見手法, 情報処理学会論文誌. データベース, 2013
[6] 中島 伸介

同様に、[3]の共著者である角谷和俊先生側から探していくと、[7] の地域毎に重要なイベントを発見するという形で「時間的傾向」に加えて「地理的傾向」を加味した地域状況把握や、[8] ではより「地域特徴」に踏み込み、位置ベースSNSから地域毎のライフスタイルを把握してみようという話をしているようです。角谷関連研究は [9] を眺めてみてください。

[7] Twitterユーザの集合経験知を用いた地域的ノーマル状態に基づく地域イベントの発見, 電子情報通信学会総合大会講演論文集 2012
[8] Tweet分析による群衆行動を用いた地域特徴抽出, 情報処理学会論文誌. データベース, 2012
[9] 角谷 和俊

複雑研全体ゼミ2巡目突入前のショートプレゼン

月曜日, 6月 10th, 2013

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昨晩はあまりの暑さで寝てる間に一度目が覚めてしまいました。水飲んでクーラー付けて寝直したのは良いけど、タイマー設定し忘れてしまい朝になった頃には布団被ってるという無駄感。これぞ夏ですね(違)。

今日は論文査読して、実験の資料作ったりしながら2週間ぶりの複雑研全体ゼミ。

全ゼミの方は、2巡目からは

一つの論文や解説記事を分担して読むにしろ、個別に論文を読み進めるにしろ、「その分野について基礎〜応用が分かる」ぐらいには関連づけて、差分や関係性、位置付けを説明できるようにしてください。聴講者も分からない/聞きたいことがあれば自分から質問するようにしましょう。なお、2巡目は質疑時間関係無しに発表中でも自由に突っ込んでください。

という形で、互いに勉強しあう形の一般的な輪読を想定しています。1巡目は「皆の前で自分の興味があることを互いに調べて発表する」ぐらいのもので個々人がほぼ独立した形で論文紹介するだけでしたが、2巡目はトピック毎に理解を深めることを期待しています。

全員で一冊の専門書を紹介し合う形でも良い(昔はそのスタイルで複雑系入門を指定してた)のですが、ここ数年は「各自興味のあるテーマ」にシフト。しかしあまりにもばらけ過ぎてて皆でやる勉強会としては繋がりが薄すぎるということもり、遠藤先生の声かけで今回はいくつかのグループに分かれてグループ単位で掘り下げて輪読発表し合う形になりました。

グループとしてはTwitter推薦系、シミュレーション系、自然言語系、画像処理系の4つ。グループ毎に何についてどういう風にサーベイしていきたいかということについてショートプレゼンしてもらい、それを受けて「何故それを選んだのか」「どういう観点や繋がりで関連研究を調べていくか」といったことについてコメントしたぐらいで今日は終了。赤嶺研ドクターの上原くんの発表(英語)も追加であって、面白かったけど学部生の方はどのぐらい聞けたんだろうかw

B4中心ではあるけど、テーマ毎にグループに分かれて取り組んでることだし、その週毎に関連テーマやってる先輩の現状報告だとか最新情報話してもらうとかして貰うのも良さげかなー。ここ最近マスターズとしては動いていないし。

複雑研サーバは移行作業中のため一時的に退避サイトを用意しています

金曜日, 5月 31st, 2013

複雑研サーバ(eva.ie.u-ryukyu.ac.jpドメイン)は移行作業中のため、まだ暫くは不安定な状況が続く予定です。

當間ページについてはhttp://www.nal.ie.u-ryukyu.ac.jp/~tnal/eva/に一時的に複製していますので、必要に応じて参照してください。

[複雑研全体ゼミ補足記事] 5/27, 強化学習、マルチエージェント・シミュレーション

月曜日, 5月 27th, 2013

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先週の土砂降り週間とは打って変わり、雲も少なめの晴天夏日。週間予報的には今週は晴れ/曇りが並んでますね。梅雨明けには早いかもしれないけど実質的にはこのまんまなし崩し的に天候が安定してくれたら嬉しいな。

以下は複雑研全体ゼミを終えての補足記事です。


来週は一回お休み入れることにして、その間にグループ毎に何を読むのか調整してください。教員/先輩らも含めて相談してもらって構いませんし、何らかの形で巻き込むのもアリです。(適宜相談してください)

できるだけ6/3(月)中には調整し終えよう。


以下、今日の全体ゼミ討論中に出てきたキーワード
 ・清水隆寛: [1] 強化学習
 ・山田義貴: [2] マルチエージェント・シミュレーション
での関連話を補足します。

[1] ゲート-モジュール型強化学習アルゴリズム, 情報処理学会 第75回全国大会, 2R-8
[2] セルオートマトン法による避難流動のシミュレーション, 日本オペレーションズ・リサーチ学会和文論文誌, 2008, http://www.orsj.or.jp/~oldweb/e-Library/t51-6.pdf


>強化学習

発表時点ではマリオAIあたりを想定してるぐらいで学習手法はいくつか検討しているようでしたが、討論で強化学習に決まりつつあったようなのでそっち方面について事例を紹介します。

IPSJ75だけでもいくつかあるようですが、状態空間の扱い方や学習効率を改善しようと試みている事例としては、
[3] の段階的/組み合わせにより状態空間を効率良く使おうとするタイプ、
[4] の連続空間をクラスタ化するタイプ、
[5] のニューラルネット(の一種)を状態空間として扱うタイプ、といったものがあるようです。また、JCSSでは
[6] の緩い対称性推論(Loosely Symmetric Model)のような直感的傾向を導入してみた事例も紹介されているようです。

[3] 段階的学習による高自由度ロボットの強化学習の効率化, 情報処理学会 第75回全国大会, 1R-3
[4] 連続状態空間における状態クラスタを用いた強化学習, 情報処理学会 第75回全国大会, 2R-9
[5] 時系列パターンのためのニューロンの追加が可能な領域表現を用いた高速KFM連想メモリを用いた探索行動の学習, 情報処理学会 第75回全国大会, 2S-2
[6] 緩い対称性推論を用いた強化学習アルゴリズム, 日本認知科学会 第29回大会, JCSS2012_P1-22, http://www.jcss.gr.jp/meetings/JCSS2012/proceedings/pdf/JCSS2012_P1-22.pdf


>マルチエージェント・シミュレーション

具体的なシミュレーション対象自体がまだ決まっていないという話でしたので、マルチエージェント型のシミュレーションにどういう事例があるかということで俯瞰的に紹介してみます。

[7]は比較的今回の防災に近い事例で、空間の表現方法として実座標型・メッシュ型・ネットワーク型で分類比較し、シミュレーション利用者に理解し易いモデルが必要だというスタンスで取り組んでいるようです。
[8]は、知識獲得と忘却機能について社会的インタラクションを加味したシミュレーションを通して「忘却」にどのような機能があるかを検討するという事例らしい。
[9]は、複雑化・分散化の一途を辿る電力系統では「情報の正確性の保証がなく、全体的な情報を得ることが難しい」状況らしく、分散型システムによる対応が必要とのことで故障設備判定をマルチエージェントモデルでやってみているようです。
[10]は、アブストしか眺めていませんがマルチエージェント型のWebクローラにより、ネットパトロール効率化の実現に取り組んでみているようです。

[7] マルチエージェントモデルによる群衆歩行性状の表現, 日本建築学会計画系論文集 第74巻, 2009, https://www.jstage.jst.go.jp/article/aija/74/636/74_636_371/_article
[8] “忘れて知識を正す”: 社会的インタラクションから見る忘却の適応的性質, 日本認知科学会 第29回大会, JCSS2012_O2-3, http://www.jcss.gr.jp/meetings/JCSS2012/proceedings/pdf/JCSS2012_O2-3.pdf
[9] マルチエージェントによる電力系統故障設備判定方式, 電気・情報関連学会中国支部連合大会, 2010, http://www.iis.it-hiroshima.ac.jp/~nagata/PDF/2010/2010-10-Fukunaga-IEEJ-Chugoku-Branch-p187_7-1.pdf
[10] マルチエージェントクローラを用いた有害ユーザの効率的発見手法, 情報処理学会論文誌, 2012, https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=repository_uri&item_id=79949

[複雑研全体ゼミ補足記事] 5/20, テキストの意味や意図、マンガ推薦 / e13個人面談開始

月曜日, 5月 20th, 2013

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今週はe13の個人面談ウィークです。1対1で対面式で話をするという機会の提供でもあるし、早めにテコ入れした方が良さそうな学生の発掘でもあるし、どんどん先に進んで欲しい学生へのアドバイスをする機会でもあるつもりですが、一人あたり5分+αぐらいしか取れてないので何かしらの切っ掛け提供以上のことにはなってないかも。それでも「何となく情報工学科入学した」とか「こういうことに興味があるけど具体的には行動してない」から一歩前進する切っ掛けになれば。

初日から一部来てない&連絡も無い学生が既に居ますが、ま、そういうもの。そういう学生は後日呼び出し対応するしかない。

以下は複雑研全体ゼミを終えての補足記事です。


来週で1巡目が終了になります。
再来週からはゼミの目的を変更し、トピック毎に掘り下げて基礎〜応用について皆で勉強するということを主題にします。各学会誌の特集記事や、専門書等から複数人でグループを組み、分担して説明できるように準備してください。リソース(特集記事や専門書等)についてはいきなり確定するのではなく、事前に候補として提案してください。問題無ければそのままそれを担当してもらいます。

以下、今日の全体ゼミ討論中に出てきたキーワード
 ・松田昇悟: [1] テキストの意味や意図
 ・平良浩嗣: [2] マンガ推薦
での関連話を補足します。
(NAL研MLでピックアップ済みが多いです)

[1] 文間関係認識のための構造的アライメント, 言語処理学会 第16回年次大会 (NLP2010), E3-7
[2] マンガの概要に基づく作品推薦システム, 第11回情報科学技術フォーラム (FIT2012), N-013


>テキストの意味や意図

2つの文間関係を判別するというタスクにおいてアライメントを用いた一例として [1] を紹介していたかと思いますが、このような文間関係を使って談話を理解しようとする試みの一つが「修辞構造 (rhetorical structure)」や「修辞構造理論 (RST)」と呼ばれています。

NLP2013からの例では、[3] は単一文書要約に、[4] は論理構成の整然さ評価に、[5]は応答文生成に、というように応用例の幅は広いです。どういう応用を見据えるかによって、その基礎を積み上げていくかも変わっていきますので、何かしら具体的なタスクを想定しておくと良さそうですね。

[3] 談話構造に基づく単一文書要約, 言語処理学会 第19回年次大会 (NLP2013), A5-1
[4] 文章構造解析に基づく小論文の論理構成における整然さの自動評価, 言語処理学会 第19回年次大会 (NLP2013), B3-1
[5] 対をなす二文書間における文対応推定および応答文生成への応用, 言語処理学会 第19回年次大会 (NLP2013), B3-3


>マンガ推薦

技術的には情報推薦に興味があって、その一例としてマンガにも興味があるということで [2] を紹介していたかと思いますが、自身でも疑問に感じていたように「そもそもストーリーを表現できているのか」「ストーリー特徴だけで推薦できるのか」という点では不十分な点もあるようですね。

「ストーリー」をどう捉えるかという点では、物語生成の分野で「プロップ理論」に基づいた事例がいくつか出ているようです[6,7]。

ストーリー以外の要素として、[8] では「スピード線」の違いが知覚に及ぼす影響について調査したようです。[9]は概要しか見れませんが、マンガ教材における影響について討論しているようです。同じグループらによる別の発表が [10] で公開されてますね。

[6] プロップに基づくストーリー生成機構と状態管理機構との結合, 言語処理学会 第19回年次大会 (NLP2013), P1-14
[7] 『物語の森』ー物語生成システムの統合的応用の一試行ー, 2012年度日本認知科学会 第29回大会, P1-29
[8] スピード線描写の違いが速さ知覚に及ぼす影響, 2012年度日本認知科学会 第29回大会, P3-14
[9] マンガ教材学習における登場人物の視覚的特徴が印象に与える影響, 第6回エンターテイメントと認知科学シンポジウム 資料
[10] マンガ描画技法が学習者に与える印象の分析ーマンガ教材の品質改善に向けてー, JSiSE 2012, http://www.jsise.org/taikai/2012/program/contents/pdf/E4-1.pdf

[複雑研全体ゼミ補足記事] 5/13, ZMP姿勢制御、人のイメージに近い区切り方

月曜日, 5月 13th, 2013

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実験1/スクリプトプログラミングの仮採点結果の通知メールを送付しました。特に問題無ければそのまま採点確定になる予定ですが、質問・相談してくる人がでてくるかは謎です。

ちゃんと出す学生は出しますが、例年の傾向として「再受講している学生は出さない傾向にある」のは相変わらずです。単位を取ること、卒業することが重要じゃないなら時間的にも金銭的にも勿体無いので素直に別の道を歩めば良いのにと思うんですが、そう簡単な話では無いらしい。そういう人の受け皿が社会には必要だとは思うんですが、うーん。

以下は複雑研全体ゼミを終えての補足記事です。


今日の全体ゼミ討論中に出てきたキーワード
 ・稲福政樹: [1] ZMP姿勢制御
 ・福里宏晃: [2] 人のイメージに近い区切り方
での関連話を補足します。

[1] RoboCup用ロボットNAOの姿勢制御, IPSJ 情報処理学会第75回全国大会
[2] 崩れた表記に対応する日本語形態素解析器の開発, 情報処理学会第75回全国大会


>ZMP姿勢制御

まだ特定目的を意図していないようなので、姿勢制御全般について絞り込まずにいくつかピックアップしてみます。

[3]によると、目標の位置姿勢に移動する制御のために絶対位置を論ずるための「地図生成や自己位置推定を同時に行う (通称SLAM)」という立場と、周囲の物体との相対的な位置関係だけで目標姿勢に移動する立場というのがあるようです。[3]自身は後者の相対的位置関係の一例で、視覚センサを用いつつ逆運動学を線形近似することで計算量を抑えつつ高精度に近似する線形ビジュアルサーボ(LVS)を用いた事例のようです。

より近いものだと、ロボット学会にて2足歩行ロボット技術についての特集記事 [4,5] があるようなので、山田先生にお願いしてみると良いんじゃないかと。

[3] 線形ビジュアルサーボによる全方向移動ロボットの位置と姿勢の制御, 日本機械学会論文集C編, Vol. 77 (2011) No. 774 P 460-469, https://www.jstage.jst.go.jp/article/kikaic/77/774/77_774_460/_article
[4] 「2足歩行ロボット技術」特集について, 日本ロボット学会誌, Vol. 30 (2012) No. 4 p. 335, https://www.jstage.jst.go.jp/article/jrsj/30/4/30_30_335/_article/-char/ja/
[5] 2足歩行ロボット技術の現在, 日本ロボット学会誌, Vol. 30 (2012) No. 4 p. 336-343, https://www.jstage.jst.go.jp/article/jrsj/30/4/30_30_336/_article/-char/ja/


>人のイメージに近い区切り方

形態素解析というよりは上記の言葉の方が適切に感じたのでこう書いています。

[6] では「腐女子/地味変/DVD/w」みたいなそもそも日本語と扱うのが適切かどうか良く分からない「語」について、使用者の偏りという点から「自然な日本語の選別」をやってみているようです。

[7] も文学寄りの事例ですが、「おお、そうじゃ、わしが知っておるんじゃ。」と喋らせるとその人は老人という人物像を思い浮かべる。というように、話者の人物像と密接に結びついた話し方の類型(=役割語、ヴァーチャル日本語)についての講演。方言の延長線上にあるようなものも多いけど、その一方では「〜〜だワン」「〜〜イカ?」とか実世界では存在しないものも多く、そういうことについて歴史的、言語学的に取り組んでいるみたい。

[8] は、今回の「平仮名だらけの文」に近いケースだと思いますが、絵本のテキストを対象として KyTea 能動学習してみた事例です。
[9,10] は IME を想定した事例で、内部的には「区切る」部分が出てきています。[10]はGoogle IMEの中の人です。
[11] は論文賞を受賞したもので、「片仮名列から単語列への変換」というタスクを構造予測問題として定式化し、言い換え(e.g., アンチョビソース->アンチョビのソース)や、逆翻字(e.g., ジャンクフード (junk food) と言えば)という事例を利用している事例です。

[6] 頻出語ではなく使用者が多い語が自然な日本語である, 言語処理学会 第19回年次大会 (NLP2013), C5-4,
[7] 役割語研究の現在, 金水 敏, NLP2013 招待講演2, https://ie.u-ryukyu.ac.jp/tnal/archives/3441#invited_talk2
[8] 絵本のテキストを対象とした形態素解析, 言語処理学会 第19回年次大会 (NLP2013), A6-4, 参加メモ: https://ie.u-ryukyu.ac.jp/?s=絵本#A6-4
[9] N-gram と N-pos のアンサンブルによるクラウド仮名漢字変換, 言語処理学会 第18回年次大会 (NLP2012), A1-1
[10] Web上のひらがな交じり文に頑健な形態素解析, 言語処理学会 第18回年次大会 (NLP2012), C5-3
[11] 言い換えと逆翻字を用いた片仮名複合語の分類, 自然言語処理, Vol.19, No.2, https://www.jstage.jst.go.jp/article/jnlp/19/2/19_65/_pdf

[複雑研全体ゼミ補足記事] 4/30, Dial-a-Ride問題、AR応用

火曜日, 4月 30th, 2013

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今日は卒業生の下地くんが来訪してくれ、直接顔も知ってる後輩とそうじゃない後輩含めて一緒に食事してきました。仕事がいろいろ忙しいらしいようですが詳細は省くw

以下は複雑研全体ゼミを終えての補足記事です。遠藤先生からの提案にもありますが、「短い論文1本紹介するだけ」だと俯瞰的な視点が不足し過ぎていることもあり、2週目からは何かしら少しテコ入れを予定。


今日の全体ゼミ討論中に出てきたキーワード
 ・新垣隆伍: [1] Dial-a-Ride問題とシミュレーション
 ・濱聡子: [2] AR応用とロバストな重畳表示
での関連話を補足します。

[1] 公共交通サービスにおけるDial-a-Ride問題, 電子情報通信学会論文誌. A, 1998, http://ci.nii.ac.jp/naid/110003312644
[2] 拡張現実感による協調作業環境の構築, 情報処理学会 第74回全国大会, 2012, http://www.iplab.cs.tsukuba.ac.jp/paper/convention/kaneko_ipsj2012.pdf


>Dial-a-Ride問題とシミュレーション

英語の論文も入手済みとの話だったので大丈夫かもしれませんが、関連論文についていくつか見つけてみました。

[3]は[1]と同じ著者らの続きで、リアルタイム乗客輸送を実現するために「不定期発車/車両定員制源/所要時間制限」といったより現実的な制約を導入した問題に拡張し、GAで解いているようです。GAに限定する必要が無ければ、さまざまなメタヒューリスティクスを使ったアプローチが提案されているようです。

一方で、どのようなことを提示できれば実導入に踏み切れるかという話もしましたが、例えば [4] では「シミュレーションの知識を持たない地方自治体の担当者と、地域に土地勘のないシステム担当者が協力して行う CSCW (Computer-Supported Cooperative Work)」という形でシミュレータを開発しているようです。[5]では利便性と採算性の関係について解析しており、[6]ではより限定した「需要が希薄な人工低密度地域において、費用に対してサービス水準の高い乗合運送サービスの供給方法」という観点からシミュレーションしているようです。

[3] Dial-a-Ride 問題におけるリアルタイム乗客輸送, システム制御情報学会論文誌, 2002, http://ci.nii.ac.jp/naid/10009533350
[4] オンデマンドバスの導入設計シミュレータの開発と評価, 人工知能学会論文誌, 2010, http://ci.nii.ac.jp/naid/130000259092
[5] デマンドバスはペイするか, 電子情報通信学会技術研究報告. AI, 2003, http://ci.nii.ac.jp/naid/110003176807
[6] 公共交通需要希薄地域における少量乗合運送サービス導入方法に関するシミュレーション分析, 土木学会論文集, 2009, https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscejd/65/4/65_4_480/_pdf


>AR応用とロバストな重畳表示

AR技術の構成要素と応用例について、2011年時点でのサーベイが [7] に整理されているようです。5章にはその時点でのARの問題点についても議論されているようなので、一度目を通しておくと良さそうです。

2012年以降に絞ってみると、[8]では「都市環境」という(ARにしては)俯瞰的というか広域な視点での利用を想定している事例のようです。[9] はアブストだけでは良く分からない部分が多いですが、物理的な修正をする前のモデリングとシミュレーションを支援する話のように見えます。

[7] Augmented reality technologies, systems and applications, Multimedia Tools and Applications, 2011, http://link.springer.com/article/10.1007/s11042-010-0660-6
[8] Using Augmented Reality to Help Maintain Persistent Stare of a Moving Target inn an Urban Environment, Proceedings of the Human Factors and Ergonomics Society Annual Meeting, 2012, http://pro.sagepub.com/content/56/1/2575.short
[9] Augmented Reality in Collaborative Virtual Environment for Discrete Event Systems Modeling and Simulation, Virtual and Augmented Reality (SVR), 2012, http://dl.acm.org/citation.cfm?id=2377134

[複雑研全体ゼミ補足記事] 4/22, ストリートビュー利用した歩道認識、Twitter絡みの推薦

月曜日, 4月 22nd, 2013

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学内で離れた所に移動する際には番傘を愛用しているのですが、4月になって新入生が増えたからか久しぶりに大勢の視線を感じました。既に1年間強使ってることもあって恥ずかしい気持ちはナッシング。ieな1年生から格好良いとか言われましたが、欲しければ自分で買おう。私は辻倉で買いました。

プロジェクト・デザイン1での調べ学習「琉球大学概況調査」なるものが始まってるようです。インタビュー形式で調査するグループもあるようですが、例えばこことか何かしら有意義にインタビューできるように準備するよう心がけてみよう。100点満点目指す必要はないけど、現状より向上する努力はしよう。

以下は複雑研全体ゼミを終えての補足記事です。


今日の全体ゼミ討論中に出てきたキーワード
 ・大城祐二: [1] 物体認識としてのストリートビュー利用した歩道認識
 ・新里華生: [2] Twitter絡みの推薦
での関連話を補足します。

[1] 距離センサーと画像処理による移動体認識, 情報処理学会 第75回全国大会, 2013, 3U-9
[2] Twitterにおける会話しやすいユーザの推薦手法, 情報処理学会 第75回全国大会, 2013, 5N-1


>ストリートビュー利用した歩道認識

紹介した論文[1]自体では Kinect の距離センサーを利用した「ある距離内にある物体を切り出す」というものでしたが、ストリートビュー画像からはそれは使えません。特に先輩の研究結果では看板がノイズとして邪魔だという話でしたが、その関連事例を紹介します。

[3]では、広告看板や道路標識認識を例に(正規化LoG関数近似に基づいた)局所不変特徴量を提案しているようです。また、[4]では道路標識が対象になっていますが「看板や紅葉など類似した色の背景物体」がある場合でも標識を追跡しようという事例らしく、参考になる情報があるかもしれません。

同じアプローチを直接利用することは難しいかもしれませんが、[5]では屋外での自立走行のため測域センサを用いた歩道両端点検出[6]をしているようです。

[3] 正規化LoG関数の近似に基づく局所不変特徴量の抽出, 電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, 2008, http://ci.nii.ac.jp/naid/110006937629/
[4] 動的色境界の提案と道路標識追跡・認識への応用, 情報処理学会研究報告. CVIM, 2008, http://ci.nii.ac.jp/naid/110006820243/
[5] 筑波大学ループ道路歩道3.5kmにおける移動ロボットの屋外長距離自律走行の試み, 日本機械学会論文集C編, 2011, https://www.jstage.jst.go.jp/article/kikaic/77/779/77_779_2782/_article
[6] 測域センサを用いた歩道認識による移動ロボットの屋外長距離自律走行, ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集, 2009, http://ci.nii.ac.jp/naid/110008698324


>Twitter絡みの推薦

紹介した論文[2]自体では「興味のある話題をツイートしているユーザの中でも会話しやすいユーザ」を独自基準でスコア化して推薦しようという話でしたが、新里くん自身は特定の目標を持っている訳ではないようなので、この間話した例も含めて推薦の例を紹介します。

[7]は、buzztter をベースに関連論文を推薦するというbotです。[8]は、Twitter/Facebook/はてなアカウントでのアクティビティからそのユーザをプロファイリングし、興味にあったニュースや記事を推薦するというサービスです。

それらを例えばどう実現するかという事例としては、[9]ではブックマークに含まれる「タグの共起関係」から興味語を抽出し、類似したユーザを捜すというアプローチを取っているようです。[10]では、発言に対する言語処理に加え、先日の全体ゼミでも出た「ユーザにも重要度」を割り振り、双方からの特徴量を合算することで「興味・関心のある記事」を推薦しようと試みているようです。

[7] 空気を読んで論文を紹介するtwitter-bot 「論文ったー」つくってみた。 http://d.hatena.ne.jp/YamadaToshiyuki/20091012/1255347730
[8] gunosy http://gunosy.com
[9] ソーシャルブックマークを基にしたTwitterユーザの興味語抽出・推薦手法の提案と評価, 情報処理学会研究報告. DD, 2011, http://ci.nii.ac.jp/naid/110008583752/
[10] Twitterを利用したソーシャルニュース記事推薦システム, 情報処理学会研究報告. データベース・システム研究会報告, 2011, http://ci.nii.ac.jp/naid/110008682624/

P.S.
読みたいけどWeb上でソースが見つけられない場合には、図書館で複写依頼するなり、先生に相談するなりしてみてください。

[複雑研全体ゼミ補足記事] 4/15, 話題抽出と信頼性推測, 指文字/手話の文字変換

月曜日, 4月 15th, 2013

今年度も複雑研全体ゼミが始まったので、その紹介兼ねてのポストです。基本的には輪読ですが、(a)論文の読み方、(b)下手な発表・分からない発表を聞いて自分の力にするヒント、(c)プレゼンテーション・パターンとあれこれ盛り込み過ぎかなと思いつつ、ゴールは全てを身につけることではなく「内容とプレゼンの2視点について互いに指摘し合えること」を目指してやってみてます。

年度毎に少しずつテコ入れしていますが、今回はプレゼン・ハックを最初から念頭に入れている点、事前に先に挙げた「論文の読み方」を示している点、出展の明示+自分の文章で事前に概要紹介を示せ、という3点を強調してみています。具体的にはこういう指示(PDF)を与えています。

以下は今日の全体ゼミを終えての補足記事です。


今日の全体ゼミ
 ・伊集竜之: 話題抽出と信頼性推測 [1]
 ・新垣健史: 指文字/手話の文字変換 [2]
での関連話を補足します。

[1] Twitterからの話題抽出と元記事の多種性からの信頼性の推測について, 情報処理学会 第75回全国大会, 2013, 4Q-3
[2] Kinectを用いた, 障害者支援を目的とした指文字, 手話の文字変換, 情報処理学会 第75回全国大会, 2013, 1ZB-2


>話題抽出と信頼性推測

Twitterで流れてくるURL(≒ソース)付きツイートに関する信頼性を推定するため、ソースの多種性に着目して試みているという話だったかと思います。

質疑応答時に突っ込んだ「信頼性って高い/低いというだけで示されるものなの?」という点については、[3] を眺めると参考になると思います。信頼性をどのような視点から評価するかについての別例としては [4,5] の「訂正情報」に着目するものがあるようです。

[3] 【Credibility for the 21st Century】1. イントロダクション / 「情報信憑性」研究者やまもとのウェブサイト, http://hontolab.org/research/credibility-for-the-21st-century-1/
 2. ウェブ情報の特徴, http://hontolab.org/research/credibility-for-the-21st-century-2/
 3. 信憑性研究の歴史, http://hontolab.org/research/credibility-for-the-21st-century-3/
 4. 情報ソースの信憑性, http://hontolab.org/research/credibility-for-the-21st-century-4/
 5. 情報ソースの信憑性に係る様々な要素, http://hontolab.org/research/credibility-for-the-21st-century-5/
 6. 「情報ソース = 組織」である場合, http://hontolab.org/research/credibility-for-the-21st-century-6/
[4] 流言情報クラウド:人間の発信した訂正情報の抽出による流言収集, 言語処理学会 第18回年次大会, 2012, A4-2, http://luululu.com/paper/2012/A4-2.pdf
[5] Twitterからの多様な流言訂正情報獲得のための分類器の構築, 言語処理学会 第19回年次大会, 2013, Y2-2, http://www.anlp.jp/proceedings/annual_meeting/2013/pdf_dir/Y2-2.pdf


>指文字/手話の文字変換

元々の出発点は楽器演奏時の手指動作を支援したいというところにあり、その一例としてKinectで指文字/手話認識している事例を読んでみたという話だったかと思います。画像認識的には赤嶺先生、ロボットビジョン的には山田先生の方が詳しいかと思いますが、それを踏まえて私の方では以下のものが見つかりました。

[6] は、「指を曲げることで指先が頻繁に隠れる手の甲側からの推定」を目指しているらしく、楽器演奏時とも問題設定が近いかもしれません。[7] は、古い事例ですが、実時間での3次元手形状推定のために、関節角の可動範囲や依存関係等の制約知識を利用しているようです。[8] は、高速カメラ2台を導入した2次元画像からの3次元形状復元を試みた事例のようです。

[6] 手の甲の特徴点による手指の形状推定モデルの検討, 情報処理学会 第75回全国大会, 2013, 5ZA-2
[7] 手の制約知識を用いた逆運動学解法による実時間三次元手形状推定, 画像の認識・理解シンポジウム, 2005, https://qir.kyushu-u.ac.jp/dspace/handle/2324/5911
[8] 2次元映像からの手指3次元形状復元, 電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理, 2012, http://ci.nii.ac.jp/naid/110009482260/

沖縄高専交流研究会の今後、留学生交えたゼミ、情報工学科歓送迎会

日曜日, 3月 31st, 2013

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なんだかんだと時間取れずに書けなかった昨日のお話。

午前中は2年前から始めた沖縄高専との交流研究会の今後について話し合い。教育と研究とどちら寄りを目指すのか、どうせやるならオフィシャルな研究会目指すのはどうか、一般的な口頭発表形式だけじゃなくポスター形式はどうか等々。どういう交流の仕方があり得るか、どういう方向性を目指すか、どういうテコ入れが考えられるかといったことについて様々な意見が出ました。それを受けて、3年目になる2013年度は発表件数を増やしながら以下のようなテコ入れを予定。2014年度以降には、オフィシャル化の一つとして例えば人工知能学会の第二種研究会あたりを想定してるかな。

  • 発表者に院生も含めることを検討。
  • 調整次第でワークショップ的な合同合宿。
  • 夏は(ちょっと変わった)ポスター形式をベースとし、何かしら評価システムを導入。素案としては遠藤先生の講義で取り入れてるシールが有力候補。
  • 冬は口頭発表に加えてハッシュタグ付きツイートし、専属で発言を取捨選択を導入。

遅めのランチ・ミーティングを終えたあたりで風邪っぽい症状が出始め、ゼミする頃にはだいたい収まっていたんですが念のためお茶会は無しに。その日に沖縄到着したばかりという韓国からきたJoくんを交えて、参加者が大まかな研究テーマの紹介しつつ通常モードの進捗確認。新4年次の当面の課題は、

を輪読してもらいつつ、研究テーマの検討。テーマ検討では予稿集眺めてもらって興味あるタイトルを見つけて読んでもらいつつ、ネタ出ししたり、皆の時間を調整した上でKJ法することを想定しています。

新M1は、第三者のコメントを貰うべく参加してきた情報処理学会での発表で得たコメントや感じたこと(玉城くんの振り返り慶留間くんの振り返り)を踏まえ、2013年度の研究計画を練るところから始めてもらいます。

新M2は、M1同様学会発表で得たコメント等(山内くん振り返り、堀川くんはまだ卒研ノートに書き込んでないなw)を踏まえるだけではなく、修士最後の1年間ということで研究をどうまとめるかを意識して計画を練ってもらいます。

STRPで1年間の留学生活をするJoくんは、C言語でのプログラミング経験があって、留学中にデータベースとネットワークについて学んでみたいらしい。ゼミではそういう講義でやったことを発表してもらうぐらいでも良いのかなぁ。PC必要な講義もありそうなので、手配も必要になるのかな。

夕方には情報工学科の歓送迎会@桜梅桃李。送られる側は3年間エンジニアリング・デザイン教育について取り組んでた渡真利さん&官さん&仲里さんの3名で、迎えられたのは技術部の翁長さん。一番の見所はアシャリフ先生&名嘉村先生による漫才。こういうイベントは楽しいんですが、個人的には2,3時間が限界。19:30-23:30とやってても自分以外の人が元気なのを見ると「みんな恐ろしくタフだなあぁ」とつくづく感じさせられます。

そんなこんなで帰宅したのが24時過ぎ。風呂入るのも面倒でそのままベッドに突っ伏した一日でした。