Archive for the ‘教育’ Category

今年最後のゼミ

木曜日, 12月 21st, 2017

終わりなのは週ゼミであって、それとは別に個別ゼミしたりしてますが、それでも一つの区切りですね。今年も残りわずか。

M2は、修論関連スケジュール(審査願い、予備審査、最終発表)に向けたスケジュール確認。

B4は、卒論関連スケジュールに向けたスケジュール確認。

並行して、情報処理学会全国大会に参加するメンバは、1月上旬に予稿締切があるのでそれに向けてのスケジュール確認。
並行して、研究室サーバ移行の目安確認。(最低限のところまで年内でやって、残りは新配属生のタスクになりそう)

あたりをしつつ、個別に進捗確認しながらゴール検討。

ありがちなんですが、卒業研究みたいな1年間規模の計画で何かしら新しい知見を得るということが目標になっているタスクに対して、多くの学生は全体のストーリーを気にせずその場その場での近視的なサブゴールに注力しがちで、結果としてそれが何のためかを踏まえずに寄り道し始めて。寄り道自体は悪いことじゃないんですが、気がつけば寄り道だらけで「新規な知見」ではなく「やってみた」で終わりがちです。

別パターンとしては、理想的な目標に進もうとするのは良いけども、マイルストーンを設計できずに途中を飛ばして「いろんなよくわからないことを寄せ集め的にやってしまう」。結果として、何がどう影響してるか良くわからず、考察しようがない状況とか。うまいこと絞り込むことができていないパターンですね。

ま、そういう経験も含めて卒論だと思ってるので、一緒に泥舟乗るのは構わない人です。どういうふうにタスク設計するか、全体ストーリーを筋道立てるか、みたいなところを少しでも体験して貰えれば。

大学の存在意義?

水曜日, 6月 28th, 2017

大学なんていらない、大学を(オンラインサロンに)置き換える』って宣言してるから」というのは今の時代わりとありな選択肢だと思うけれども、一方で未だに大学を選択する人が多いし、オンライン講義のMOOCが大学に取って代わることができない理由なんて記事も昔から書かれてるぐらい、まだまだ問題があるのも事実。いい面悪い面いろいろあるので、どちらか片方だけというよりもミックスする方が良いのでしょう。

「先生の話を聞く」だけなら動画でいいだろう。何かしらインタラクション入るなら授業として皆がいる場でやる意義がありそうですが、それもやりようによってはニコニコ動画やそれに近い方法でやれる側面もあるでしょう。掲示板でもいいし。

グループワークの類は「皆が集まる場」を活用する一つの方法だと思うけれども、うまいこと仕込まないと達成目標とはズレすぎるとか、別の問題がでてくる可能性が少なくない。達成度合いの評価が難しいという話もあるか。

プログラミング1,2に関しては(同学年同士での)ペアプロを導入してるけれども、2年目にしてようやく少し熟れてきた感があるかな。まだまだ思い込みかもしれないけど、「二人で分業して効率良く進めることが目的じゃない」、「二人が独立して作業してるのはおかしい」、「ドライバーとオブザーバーを決め、二人で一つのタスクに取り組もう」、「相手が何やってるか、何考えてるか分からなくなったら尋ねよう。授業中は互いに質問しまくる権利がある」といったことが少しずつ伝わってるように思います。授業中の質問や、レポート・メールを通した質問も増えてるしな。良いことだ。

興味が違えば見方が異なる(研究授業参加)

金曜日, 6月 16th, 2017

教育実習生の研究授業のために朝から美来工科高校にいってきました。って高校サイトに見覚えのある人がでかでかと載ってますね。受け入れ&ご指導いただきありがとうございます。大学内で模擬授業等の形でやることは可能だしやってはいるのだけど、実際の生徒とはどうしても違う人相手になるので現場で実習できるのは得難い経験。本当に。

今回私が参加した研究授業のクラスはコンピュータデザイン科の1年生で、内容は2進数・10進数・16進数の基数変換でした。デザインに興味がある生徒が集まってるだけあってそっち方面で拘りの強いことがあるらしく、例えば「資料の文字配置が微妙にずれてる」「配色がよろしくない」とかそういうのに気になってしまう生徒さんがいるらしい。どのぐらいの割合かは置いといて。あと、高校1年ぐらいの子だと「難しいだろうけど」みたいな話し方するとそっちの印象が残ってしまう(≒出来なくても良いんじゃない)ケースがあるらしく、言い回しに気をつける必要があるらしい。私の方からも気づいた点についてコメントしたけれども、私自身は教職勉強したこと無いし、高校の授業という位置づけでやったこともないので新しい気付きがあちこちにありました。

P.S.
教育実習生の立場からすると、複数の先生から観察評価されるのは酷く緊張するものだろうなとは思います。私も、プログラミングを初めて担当する時に河野先生来られたのだけど、内心はかなり緊張してました(遠い目)。でも、それ以上に教員目線でコメント貰える機会ってのは良い経験だ(ということで飛ばしてました)。お疲れ様でした。

授業録画はどのぐらい利用されてるのだろう

金曜日, 6月 9th, 2017

ArgosViewによる授業録画を導入したのが2015年夏頃。それから数ヶ月は仮設置&調整で過ぎて、実稼働したのが2015年度末頃だったと思います(もうちょっと早かったかも)。カメラを設置してるのは321室(固定設置)と工1-322教室と工2-322教室(移動式設置)の合計3台で、情報工学科で比較的多く使う教室に設置したのですが、余り納得できない理由と納得できる理由と移動式2台の方は撤去することになりました。現状は321室のみという寂しい状況ですが、それでも一番多く使う部屋ではあるので結構な授業をカバーできているはず。2017年度前期の時間割を眺める限りでは、

  • 1年次: 基礎数学1、キャリアデザイン入門(あれ工学共通科目でも使ってるの?)、プログラミング1、プログラミング演習1
  • 2年次: 確率及び統計
  • 3,4年次: ソフトコンピューティング、認知工学、ソフトウェア工学、並列分散処理、数理計画とアルゴリズム、情報セキュリティ、プログラミング3、産業社会学原論1
  • 大学院: 知能ロボット論、プロジェクトマネジメント演習

が321室で実施されてるらしい。やっぱり多いな。ただし、当然マイク使わないと音声入らないけど使わない先生いるっぽいのと、録画データはそのままでは学生が閲覧できなくって、URLを教員側から公開する必要があります。このあたりの手間(?)があるからか、実稼働してる科目がどのぐらいなのかは良く分からず。学生にとって復習に使えるだけじゃなく、欠席した学生への対応も「この録画見て」で済ませられるので便利なんだけどなぁ。

プログラミング1では、授業終了後に動画URLを授業ページに貼り付けるようにしてるので、一通り参照できます。ただし学科アカウントによる認証がついてるので、学科外の人は閲覧できません。動画ファイルを別途オープンな場所に置けば良いだけですが、学生の個人名とか出してることもあるのでフルオープンにするのはちょっと。

話すスピードとか話し方確認のため、たまに自分自身でもチェックしてますが、十分聞ける&十分高画質なので授業再現してるのに近いです。来年度はこれ流して終わったら駄目だろうか、、w MOOCsみたいに授業前に参照できるように動画提供して事前に閲覧させて、授業中はそれを見たこと前提の内容にする(ペアプロメインでも良いし)のが良さそうだとは思うけど、どうしよっかなー。動画は動画で良いのだけど、教科書・参考書ちゃんと読んでほしいという気持ちも強いし、レポート課題も出したいし。レポート課題は宿題という位置づけのつもりなんだけど、そうじゃなくてレポート課題を授業中にやってもらうほうが良いのだろうか。

TPOに応じた学び方をできるとベター

月曜日, 5月 29th, 2017

「最適な学び方」というのはなかなかありませんが、より良いアプローチがあるならそれを選択するに越したことはないです。社会人向けAI人材育成という話が出てますが、いわゆる(大学の)学生と社会人とでは事前知識や使える時間等様々な点で違いがあることを踏まえると、学生向けにカスタマイズされてる授業が社会人向けにベターかどうかは「?」なところがあるな、と。

大学のカリキュラムというのは、2個学期制の大学なら1年間に前期後期で4年間通して8個学期で卒業要件を満たすように設計されています。2単位の授業だと、1個学期で「授業15週+学期末テストの16週」に渡り、毎週90分授業を受講し続けます。自習時間を除くと、1週間あたり1科目90分しかありません。ただし平均10科目程度を同時に受講します。達成したい明確な目標があるなら突き進めば良いはずですが、大学の一般的なカリキュラムではそう設計されていません。

大学のカリキュラムはデメリットしか無いのかというとそうではなく、「様々な必修科目を履修することで視野を広げ、それらを融合することで『新たな一歩』を踏み出しやすくする」という狙いがあります。うちの学科で例を挙げると、プログラミングだけじゃなくアルゴリズムやOSを学ぶことで実装上の最適化や工夫をしたり、線形代数や確率統計・微積といった数学も学ぶことで機械学習の中身を理解できる基礎を築いたり。必ずしも授業で提供していなかったコンテンツに対しても取り組む力を身に着けさせるために、このような設計を取っています。

これに対して今の世の中は、書籍に限らずブログなりMOOCsなり、有料無料を問わず教材が溢れています。Pythonならこんな感じで目的に応じて教材を選ぶぐらい、選択肢が数多くあります。例えば、TensorFlow Tutorialsをやれる環境構築さえできれば「機械学習使って画像認識やったぜ!」とかやれるわけです。具体的な目標があるなら、こういう「一点突破型でやってみて、わからないところを補う」アプローチが良いんじゃないかなと想像します。問題は、公式チュートリアルぐらいならともかく、世の中には有象無象のwebページがあるので、良い教材を探すこと自体が容易ではなかったり、適した補助教材を探そうとなるとより難しいという点でしょうか。体系的に学んでいるわけではないため、次の一歩が良くわからず、ひどい場合には「毎回目的に合致したチュートリアルを用意してあげないと、やれない」という状態で、何を学んだのか良くわからないこともあるかもしれません。ただし、短時間で一定の目標を達成するには向いているでしょう。また、補助する教師役がいるなら「次の一歩」についても探しやすくなり、それを繰り返すことで徐々に自分で歩む力を身につけることもできるでしょう。

ということで、個人的には「日中は仕事して、夜なり週末なり空いた時間で学ぶ」という社会人向けには、

  • 目的に沿った環境構築してやってチュートリアル探し、やらせる。
  • 目的に沿った課題を用意(というか設計かも)して、少しずつメタ知識化さていく。or 課題自体を一緒に設計することを通して知識共有化を目指す。

みたいなアプローチが望ましいのではないかなと想像します。社会人といっても幅広いですけどね。

社会人AI人材育成に向けた底上げ?

木曜日, 5月 25th, 2017

沖縄型産業中核人材育成事業の一環として、多企業・他業種混成でAI・IoTを活用した企業連携を目指す人材育成が始まるらしい。現時点でググってもあまり具体的な情報が見つからないのだけど、プログラミング・数学・機械学習あたりで教材提供できないかという話が届きました。もうちょっと早い段階で目標から一緒に相談できればよかったんだけど、今回は「やれる範囲でやる」ぐらいのことしかできそうになくて、一先ずの目標が「底上げ」になりそうです。

教育自体はうまいこと在学生含めて大学として協力できる部分は協力したいですが、既にPyData.Okinawaとかかなり近いコミュニティがあったり、とても広い意味での底上げなら書籍なりweb公開されてる既存コンテンツが大量にあるので、それ利用した方が良いんじゃないかという気持ちが強くて。具体的な目標があるとか、それに向けたカスタマイズされた教材作るなら新規作成も分かるけど。

一先ず大学1年次向けに実施してる授業コンテンツは提供できますよということで、そっちを覗いてみてもらうことに。授業録画した動画もあったりするし。動画はアクセス認証ついてるのでそのままだと見れないのだけど。

とかいろいろありますが、やれる範囲でやってみます。

教科書・参考書は自分で使うもの

水曜日, 4月 26th, 2017

中高ぐらいまでは「授業中に読む・参照する」ことが多いからか、大学で授業中に使わない場合「使わないなら教科書指定しないで欲しい」みたいな意見が届くことがあるらしい。そうじゃなくて、教科書は自分で使うものです。という話もちゃんとしないと伝わらないよね。ということで1年次の必修科目を担当するようになってからは何度か「授業内容とは直接関係ないけど言っておきたい話」をするようにしています。題して「今週のお告げ」。


教科書に話を戻すと、教員としては多数の書籍の中からベストと思われる1冊に絞り込んで教科書に指定したり、保管する目的で参考書をシラバスに掲載しているのであって、授業中に読ませるためではないです。

じゃ、どう使えばいいか。例えば、、

  • まず一通り頭から通して読む。分からないところがあったらマーキングするなりして後で読み直す・質問する等の対応を取りやすくする。適度な区切りまで読み終えたら、また頭に戻って読み直す。2回目以降は分かる所は理解度に応じて斜め読みしたり、スキップするなりしよう。これを繰り返して5回は全体を読み直そう。
  • 「5回」はただの目安ですが、単に回数重ねるだけではダメで、気になる所はできるだけ対策(参考書参照、相談等)しよう。
  • シラバス以外にも関連書籍・情報源を数多く知ってるので、目的ができる都度相談すると、ベターな情報源をゲットしやすい。
  • プログラミングに限らず、読むだけでは不十分。手を動かそう。
  • これらをすべての授業でやるのは辛いかもしれない。せめて好きな科目、目指したい目標に近い授業についてはやろう。

みたいな話をしています。1回では話しきれないので複数回に分けてたりしますが。

P.S.
書籍を読み飛ばすのが難しいという話がtimelineに流れてました。

書籍によりますが、技術書は目的に沿った読み方をするのが良い。目的が抽象的な勉強なら最初から通して読んだり、好きな場所から読んだり。達成目的があるならそういう場所をうまく見つける技術が必要。目次や索引使うなり、電子書籍なら検索したり。

見つける技術を身につけるには、一度は体系的な学びをしながら、自分なりにキーワードマップなり情報紐付ける作業をするといいかな。検索エンジン主体でも良いけど、ピンポイントな情報出てても「気付かずに多数のタブを行ったり来たりしてる」のを見ると悲しい。最初から読み飛ばすなんて無理ですよ。

Python独習のためのチャート

水曜日, 4月 5th, 2017

プログラミング1(Python)の授業を持つようになってから、他学部から「受講or勉強したい」相談が舞い込むようになりました。後期はゼロなのでPythonに興味持つ人が増えてるのかなと想像しますが、実際の所はまだ良く分からず。今後も続くようならPython人気なんでしょう。

2017年度に関しては、入学者数自体が例年と比べて多いので、残念ですが受講は断ってます。その代わりに、、、ということで独習のための情報を折り返し伝えるようにしているのですが、何度も似たようなメール書くのもあれなので(便利な日本語)、目的別情報源を整理してみることにしました(上記PDF, GitHub参照)。書籍・サイト情報が少ない箇所は私自身が把握していない場所ですね。

プログラミング1のテコ入れ開始

木曜日, 3月 9th, 2017

新学期に向けた準備として新しく開講される工学概論から手を付けようとしてたのですが、シラバスを改めて確認してから「開講時期は後期」ということに気づきました。コース移動を希望するタイミングは後期終了頃だと思うのだけど、15週終わった後に手続き開始になってるんだろうか。そうじゃなかったら後期開講でも「話聞いて終わった頃にはコース移動希望締め切られてた」という状況になっちゃうんだけど。実際のところがどうなってるかまだわからないので、後で聞いてみよう。

ということでプログラミング1からテコ入れすることに。授業計画が前後しまくったので、今度はこれをベースに組み立て直してみよう。1週目の内容も詰め込みすぎた感が強いので、絞込みつつ実際に手を動かす時間を増やすつもりです。前回は最後にちょろっとだけ触ったぐらいだったし。授業計画と1週目の準備が終わったらデータマイニング論の方だな。今度は機械学習中心にしようかしら(悩)。

P.S.
明日はアシャリフ先生の最終講義があるでよ!

仕込み始め

火曜日, 3月 7th, 2017

Sierraに入れ替えてからトラックパッドでの操作、特にジェスチャ周りがうまく機能せず。一度設定をOFFにしてからONにすると動くようになったのだけど、トラックパッドの設定だったりアクセシビリティの設定だったりとまとまってなくて上手く探せず。でもググれば一発です。そんなご時世なのでgoogle先生居なくなったら生きていけません。ただ、本来は「PC内でのヘルプ検索」なりで解決できるべきなんだよな。どうせ見つからないよなということで先にググっちゃうけど、それって負けてるよね。Siriに相談という道は一つの手段だと思うけど、まだまだ。といいつつ普段使ってないから何がどこまでできるかは妄想だったり。だって例示見ただけで「使いたくない」と思えるレベルだしなぁ。

来月から新学期ということで、それに向けて仕込み開始。プログラミング1は一度実施したということもあってだいぶ気が楽になってるのだけど、テコ入れしたい部分も少なくなく。優先順位が高い順で並べると、、

  1. シラバス、特に授業計画を修正する。2016年度予定計画は大分入れ替えたので。
  2. レポート課題を増やすか、レポート課題とは別に「手を動かす課題」を増やす。Jenkinsとかでの自動テストをパスしろぐらいの課題でも良いとは思うんだけど、準備する手間が。。
  3. 課題説明文ぐらいを英文にする(少しずつ増やしていく)。
  4. 逐次処理、数学とプログラミングにおける等号の違い、関数あたりの解説をもっと丁寧にやる。
  5. レポートレビュー(コメント)を、Googleドキュメントメインにした上でコメント機能でやってみる。

と、プログラミング1だけ見てもやりたいことあれこれあるわけですが、2017年度からは「工学部工学科知能情報コース」のカリキュラムが開始。新しい講義「工学概論」の担当も割当たっていて、そっちの準備はそもそもゼロからしないといけないから暫くはこっちだな。オムニバス形式で担当するのは1週分だけなんだけど、他コース含めていろんな学生が受講する科目なのでこっちも気合い入れないと。情報工学とか知能情報へのイントロダクションという位置づけで、情報検索・検索エンジンあたりを例題に話してみる予定です。昔沖縄高専に出前講義で話してきた内容が一つの案かなぁ。